'97-9月 村民体育祭

国際色豊かな明日香村村民体育祭に参加の巻

運動会に万国旗はつきもののようだ。あれは、日本国中誰もが、普遍的に国際化への関心、あるいは憧れをもっていることの現れだろうか。明日香村村民体育祭では、その万国旗の下を、オーストリア、ニュージーランド、アメリカ、中国、韓国、イタリア、フランス、イギリスの国旗が入場行進に加わっていた。われわれ都市住民が明日香村の棚田で農業実習をしているみたいに、世界のいろいろな国の人が、いろいろな関わりで村にきていて、体育祭が格好の国際交流の舞台になるあたり、さすが千年以上にもわたる国際交流史をもつ明日香村だ。

 

国際色という点で面白かったのは、国対抗玉入れ。それどれの国からの参加者が自分の国の旗をつけたかごをもち、村の小さな子供たちが国ごとのグループに分かれて、玉入れを競い、最後にその国の言葉で玉を数え、自己紹介をするという趣向。かろうじて数字が聞き取れるのは、英語圏の国と中国語。自己紹介が聞き取れたのは、英語だけだった。そして、各参加者が少しは日本語ができて、たどたどしく同時通訳されたのには、すごく好感がもてた。

 

ひるがえって、わが英語の勉強のすすみ具合は? インターネット時代について行きたいと志して約半年。まだ、片言さえおぼつかないが、英語を使う機会は明日香村にだってあったのだ、ということを肝に銘じることにしよう。

 

それからもう一つ何とかしたいのは、53歳の私の世代にある、日本の国を素直に自慢できない日の丸コンプレックス。日本のいいところをほめたり、すぐ採り入れたりできるのは、いつも外国の人。それを後追いして日本のよさを再認識する私たち。結局、外国語コンプレックスの裏返しが日の丸コンプレックスであるような気がして。そういう意味でも、上っ面でなく、たどたどしくとも言葉で外国の人と交わって、はじめて、私たちにも本当の日本がわかってくるのではないだろうか。 (1997.9 by 陽)