'97-4月 蓮華祭り

今年はスタッフとして参加の巻

昨年は棚田のたんぼオーナーに落選して、普通のお客さんとして恋華祭りに参加した。とれとれのでっかい筍を会場で茹でてもらい、出店しておられた脇本酒造の純米酒「右近橘」を買って帰ったのを覚えている。

 今年はスタッフ。私は声を枯らして、歴史散歩「蓮華ウオーク」の人集め。大化改新の陰の指導者南渕請安が中大兄皇子や中臣鎌足に学問を施した遺跡を、当時とそんなに変わらない風景の中で探訪した。1200年前というのが、地元の人たちについ昨日のことのように語り継がれているのを知った。妻と妻の母は、レンゲの首飾りの制作に始まり、レンゲの輪投げや、レンゲ写生大会の世話に、一日中こまごまと動き回っていた。

昨年からのオーナーを中心に前日から泊まり込みで、かぶと虫の幼虫取りやこんにゃくづくりに精を出したグループもあった。この後も稲渕の集会所をわれわれの宿泊所として利用させていただけるとのこと。またアウトドア系の趣味人は、棚田ハウス内でのキャンプもいつものことだという。なんだか面白いことが起こりそうな予感。

 今年は、去年の落選組に優先して声を掛けてもらえ、無事たんぼオーナーになることができた。オーナーとしてはまだ何もしていない段階だが、これから1年間何度も往来するであろう農道を行き来するのは、去年と全く違う気分。同じ役同士になったオーナー仲間とは自然と会話も弾み、何年来の知己を得た雰囲気。昨年と同じように大釜で茹でた筍と、右近橘を持ち帰ったが、なにやら新しくできた親戚からの帰途のような、うれし恥ずかしい気分が新鮮だった。(1997.4 by 陽)