'97-4月 明日香の棚田で農民ごっこ

美味しいお米、食べてますかの巻

有名な石舞台から、関西大学(飛鳥文化研究所)の矢印に従い、さらに奥まった桜の吉野に通じる細い道路に入っていくと、やがて階段状の小さな田んぼが周囲の里山一帯を埋め尽くす、棚田の長閑な風景が開けてくる。おそらく、千年を越える昔からほとんど変わっていない、懐かしい風景、ここが私たちの農民ごっこの舞台。

 

なぜ明日香なのか、なぜお米づくりなのか。と、問われれば、美味しいお米が食べたい、明日香の棚田という環境は、お米づくりにいい、ということにつきる。美味しいお米とは、水がよいところの、精農が作ったお米、と定義できるらしい。

 

水がよいところは、数多くあろうが、大阪近郊で人家の影響をほとんど受けていない水が得られる田んぼとなると、古都保存法や明日香法に守られて、バブル期も都市化の洗礼を受けなかった明日香の水は、ピカ一。そして、棚田のように機械化が出来ない田んぼを維持してきた、明日香の農家の精農ぶりもピカ一。ゆえに、棚田のお米(国の光)も、うまさピカ一なのだそうだ。

 

とは言っても、棚田のお米でさえ、美味しく食べたければ、玄米でブリキの缶に保存し、1~2週間分ずつ精米するのが理想、という条件が付く。ま、そういうことが追々分かってきたのが、農民ごっこを経験してみた値打ちだと考えることにしょう。

 

そういえば、最近町のあちこちで、コイン精米所というのをみかける。アレの利用価値、分かる人は分かって、すでに利用していらっしゃるのである。(1997.4 by 陽)