'97-9月 彼岸花祭り本番

彼岸花祭りの放映TVにわが案山子がチラッと映るの巻

今日、明日香村の彼岸花祭りから帰って、「彼岸花祭り、出るやろか」とニュースを見ていたら、わりあいていねいに取り上げられた。棚田の案山子コンテストの話題の中で、わが家の"実り招き猫"案山子がチラッと映ったといっては大騒ぎ。来年こそは、テレビカメラを意識して作ろうなどと、一しきり来年の明日香ビジョンについて、話の花が咲く。

 

彼岸花祭りでは、棚田オーナーのショップ"棚座楽会蚤の市(たなざらえのみのいち)"を出店。おそれ多くも、日頃お世話になっている米作りインストラクターさんたちの在所、稲渕の通りで、大きな床几に緋毛氈掛けという晴れがましいお店の、一日店主を経験した。家では、おばあちゃん(女房の母)が四時起きで仕事に行くので、日曜日の夜の打ち上げなどには参加しづらいが、休日の昼間に明日香の村の方々と交われる機会は、可能な限り大切にしたいと考えているのだ。

 

「来年からは、田圃オーナーだけでなく、畑のオーナーにもなろうよ」ということで、私、女房、その母が一致した。畑ならば、収穫シーズンは隔週どころか毎週でも足りないくらい、明日香に通う必要がある。それだけ村の方々と馴染む機会も増えるはず。今年田圃も畑も借りているオーナーさんを見ていて、それがよく分かる。私が週の真ん中にバイクで収穫にいってきてもよいのだ。今日一日、村の晴れの日を目の当たりにして、農民ごっこだけでなく、村民ごっこも、もっとしたいと思ったのである。

 

隣に陶器や小物のお店を出していたのは、同じ棚田オーナーのご夫婦。わが家と同じで子供さんが皆社会人になり、目下、余暇は焼き物三昧。作品が溜まる一方だったが、棚田オーナーになったおかげで、絶好のリサイクルの場を見つけた。娘さんとその彼が見に来て、売れ行きを気にしている。今日の売り上げは、四人ですしを食べに行く軍資金に化けるらしい。羨ましいほどよく売れていたが。

 

当店の方は、古本一冊50円などが、しめて4,500円也。その軍資金で明日香唯一の醸造元脇本酒造の出店で、純米の美酒「右近橘」(2,200円/1.8リットル)を買い、お隣で三本脚のぐい飲みを三つ、ほかに柿、栗、シシトウ、ナス、南京など明日香の幸がどっさり買えた。というわけで、間接的物々交換の成果たるや、なかなかのものであった。(1997.9 by 陽)