'97-6月 畦塗り・代掻き

どろんこ三昧の一日の巻

今日は田圃の畦塗りがテーマ。泥の田圃の中で、そう、おぜんざいの小豆をまさぐるみたいに、鍬で泥をあつめ、掻き上げ、畦に塗りつけて泥のプールの縁を築いて行く作業。面白くはあるのだが、鍬に泥を乗せるだけでも一苦労。インストラクターのおじさんたちがひょいひょいとやるのを、格好だけまねても結果は田圃をかき回しているだけ。ただ、明日香の棚田ではこの田圃をかき回す作業も「マンガ」といって、重視される。田植えを行うために土を細かく砕き床を均し栄養分をかき混ぜる代かきのことを馬鍬と書き、マグワがマンガに変化したらしい。

 

それでも、どうにか畦の内側に泥の壁を塗り終えたところへ、手押し式の小型トラクターが登場、田圃の底を気持ちがいいくらいぐしゃぐしゃにかき混ぜてくれた。

 

どろんこ三昧の一日締めくくりはお風呂。このほど明日香村にオープンした海洋療法風呂が、われわれ棚田オーナーも準村民扱いで利用できるようになった。2つの大浴場があり、片方がタラソテラピー効果のある人工海水風呂、もう一方は古代檜でできたヒノキ風呂。男女日替わりで、今日は男がヒノキ風呂。慣れない作業に疲れた体を湯の中に投げ出すと、ヒノキの精に優しく包まれてまどろんでしまいそうだった。(1997.6 by 陽)